子供の英会話学習とバイリンガル教育について
子供の英会話学習ひいてはバイリンガル教育を徹底しようとして、第一言語を習得する前に、第二言語の学習を始めてしまうと、前述のとおりどちらの言語も不完全なままに育ってしまうというデメリットを説明しましたが、そのほかにも、もっと深刻な問題があります。
私は、大学時代の専攻が言語学だったのですが、言語教育学の日本で一番の権威といわれた人が私の担当教授で、その教授の講義によると、自分の第一言語が確立する前に第二言語の習得を同時に始めてしまうと、大人になってから、かなり高い確率で分裂症(精神分裂)の症状が見られるという統計があるそうです。
私の知人で4歳から10歳までをアメリカで過ごした人に、失礼ながらもその話を聞かせたところ、自分自身のアイデンティティの確立期において英語と日本語で育ったために、自分も分裂気味な兆候があると言っていました。その人が言うには、英語を話す自分と日本語を話す自分の性格がまったく違っていて、自分の中に二人の人間が存在し、その調和をとるのに苦労しているとのことでした。
また、私のように、ある程度大人になってから英語圏に留学をした場合であっても、たまに英語を話す自分は気の強い人間で、日本語を話す私は協調性を重んじる人間になるような気がしていて、自分の中の二面性を感じることがあります。
ただでさえ、言語にはこういった言語の持つ特有の性質や文化的背景が絡みや
すいものであるのに、この上、複数言語の混乱の中で自己確立のためのプロセスのがあやふやになってしまうと、やはり精神に深刻な影響を与えてしまうのはないでしょうか。